水の種類と選び方

天然水や湧き水は安全?湧き水を飲むときの注意点

水の種類と選び方

各地に点在する「名水」と呼ばれるような天然水や湧き水が人気です。
環境省が全国各地に名水百選とよばれる天然水を指定しており、これらの水の一部は、飲料水としても一定の基準を満たしています。
*)名水百選の全ての水が飲料水として利用できるわけではないことに注意が必要です。
名水とよばれるような天然水や湧き水には、ミネラル(微量元素)をはじめとする多くの栄養素が含まれているため、湧き水を生活に取り入れることは、健康的な面でも大きな意味があります

しかし、天然水や湧き水は、一般的な水道水のように殺菌消毒が行われているわけではないため、飲料水と利用することで「お腹を壊す」などの健康被害が出現する可能性があります
そこで今回は、安全安心に湧き水を飲むための方法や注意点を紹介します。

そもそも天然水の定義とは?

天然水とは、特定の水源から採水した地下水を原水とする水のことをいいます。
これら原水のうちの数カ所を、環境省が「名水百選」として認定されています。
農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」において、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理をしていない水は「ナチュラルウォーター」と呼ばれます。
よく似た言葉として使用されるのが、「ナチュラルミネラルウォーター」という単語です。
これは、ナチュラルウォーター(沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理をしていない水)の一部であり、地層中のミネラルが溶け込んでいる地下水を原水としているものが、ナチュラルミネラルウォーターと呼ばれています。

つまり、一般的に使われている天然水という言葉には「沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理をしていない水」というニュアンスが含まれており、逆に言うと、加熱殺菌等の基本的な処理は行われていることを意味します。
天然やナチュラルという言葉が使われていますが、まったく人工的な処理をしていないということではなく、健康被害を出さないための基本的な処理は行われています。

湧き水ってなに?

一方、湧き水の定義はどのようなものなのでしょうか?
天然水の定義にある、地下水の「特定の水源」には7つの場所が含まれます。
地下水が湧き出る第一層目の、浅い位置にある水源である「浅井戸水」。
第一層目より深い第二層目を水源とする水で、地上から遠いため安全性が高くミネラル分も多い「深井戸水」。
崖の下や丘の谷間から自然に湧き出る地下水である「湧き水」。
水温25℃未満で自噴する地下水の「鉱泉水」。
自噴しない地下水で、ポンプから採水する「鉱水」。
川床の下に浸透して流れる水である「伏流水」。

そして、水温25℃以上で自噴する地下水が「温泉水」です。
これら7つの水が、天然水の定義にある水源です。
つまり、湧き水というのは、「崖の下や丘の谷間から自然に湧き出る地下水」であり、天然水の素となる、真に天然の水ということです。
そのため、天然水に行われているような、基本的な処理も行われておらず、そのまま飲むと様々な健康被害が出現するリスクがあります。
たとえ非常に綺麗に見える山の水であっても、その中には様々なバクテリアなどが含まれているため、場合によってはお腹をこわすことがあるかもしれません。

湧き水や天然水を飲む際の注意点

湧き水を飲料水として利用する際には、煮沸消毒(一度沸騰させる)を行うことが重要です。
湧き水を一旦沸騰させることで、多くの細菌を殺菌することができます。
湧き水を飲みたいという人は、一度沸騰させた水を再度冷やして利用するなどすると良いでしょう。
一方の天然水は、基本的にそのまま飲むことが可能です。
殺菌消毒などは行われているため、大きな健康被害が出る可能性は低いです。
しかし、ミネラルウォーターや他の清涼飲料水と違い、保存剤や消毒剤(腐りにくくする薬品)が使用されているわけではないので、劣化が早く、長期的な保存には向きません。
天然水を飲む際には、消費期限や保存方法などに注意する必要があります。
特に、梅雨時など細菌が繁殖しやすい時期に、飲みかけで放置するのは避けましょう。

天然水と湧き水は違う!

今回は、天然水と湧き水の違いを紹介しながら、それぞれの水を飲む際の注意点を解説しました。
天然水や湧き水には、一般的な水道水には含まれていないようなミネラルが含まれています。
飲み方に注意して、おいしい水を楽しみましょう。

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