たんぱく質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルは五大栄養素ともよばれる、人間にとって重要な栄養素です。
しかし、五大栄養素の中でもミネラル(微量元素)は比較的“マイナー”な栄養素であり、「ミネラルってどんなもの?」、「ミネラルの効果って?」と感じている方も多いではないでしょうか?
実際に、ビタミンやアミノ酸などの栄養補助食品は人気があるのに対し、ミネラルの補助食品は印象が薄いですよね。
とはいえ、ビタミンなどと同じように、ミネラルは人間にとって重要な栄養素のひとつです。
そこで今回は、ミネラルの効果を詳しく紹介します。
ミネラルの効果ってどんなもの?
一言でミネラルとはいっても、ミネラルには様々な種類があります。
生体内に確認されており、人間の生命維持に欠かせないとされるミネラルは20種類を超えており、その働きは各ミネラルによって大きく異なります。
たとえば、代表的なミネラルのひとつである「鉄」は、体中に酸素を運搬し、血液を造る働きをしており、鉄が不足することで貧血(鉄欠乏性貧血)などの病気を発症してしまいます。
その他のミネラルも生命活動の維持に重要な役割を担っており、不足すると「欠乏症」と呼ばれる体調不良を引き起こします。
また、ミネラルには「過剰症」も存在するため、偏った食事などで特定のミネラルばかりを摂取していると、健康を害するリスクが高くなります。
そのため、ミネラルはビタミン以上にバランスよく摂取することが重要になります。
今回は、「通常の食事だけでは不足しがちなミネラル」について詳しく紹介します。
鉄
体内の鉄の約65%は血液中のヘモグロビン(血液の成分)の構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。
血液を造り、酸素を全身に運搬するためには鉄(鉄分)が欠かせません。
しかし、鉄分は日本人が不足しやすい栄養素の一つです。
年齢や性別によってことなりますが、1日の摂取量としては10-14mgが推奨されており、食事だけで満足な量の鉄分を摂取することは難しいです。
特に月経期の女性は、鉄分が不足しやすく、ダイエットなどを行うことで深刻な鉄不足となるおそれもあります。
ダイエットをする場合は、鉄分を含むサプリメントなどを使用して、鉄分を補給することが重要です。
亜鉛
亜鉛は大人の体内に約2g含まれており、鉄の次に多い微量ミネラルといわれています。
前立腺、骨・骨髄、眼の脈絡膜、筋肉などにたくさん含まれており、コラーゲン合成などに関与しています。
また、細胞の成長などにも重要な役割をしており、亜鉛が不足すると、成長の減退や免疫力の低下、傷の治りが遅いなどの影響が出現します。
加えて、亜鉛は味覚に大きく関与しており、亜鉛の欠乏によって味覚異常が出現します。
カリウム
カリウムは心臓の働きや細胞の水分調節などに大きな役割を担っています。
カリウムの値が崩れてしまうことで、不整脈や場合によっては心停止などのおそれがあるため、医療の分野では注意深くサポートされるミネラルのひとつです。
カリウムが不足すると、食欲不振や吐き気、動悸や息切れ、不整脈などの症状が出現することがあります。
カルシウム
カルシウムは一般的にも広く知られるミネラルです。
よく知られているように、カルシウムは骨などの生成に関与しているため、カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなります。
特に幼児では骨の発育障害が起こり、成長が悪くなることがあるため、幼児期や学童期のカルシウム不足には注意が必要です。
また、高齢期や閉経後の女性では、骨粗鬆症が起こりやすくなるため、全身の骨を丈夫にするためにも、カルシウムを多く含む食品(乳製品など)を積極的に摂取することが重要です。
ヨウ素
ヨウ素というミネラルは、あまり聞きなれない名前かと思いますが、体内では非常に重要な役割をしています。
体内には甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンが存在しており、このホルモンは身体の代謝をはじめとするさまざまな重要な機能を調節しています。
甲状腺ホルモンの機能は割愛しますが、生命維持機能を調節しているといっても過言でない重要なホルモンの一つです。
そんな甲状腺ホルモンを合成するために、ヨウ素が必要となります。
多くの場合、魚(タラやマグロなど)や海藻、エビなどの海産物にはヨウ素が含まれていますが、通常の食事だけでは満足なヨウ素を摂取することが難しいため、サプリメントや酵素などで補うことがお勧めです。
ミネラルの効果は幅広い
今回はミネラルの効果を紹介しました。
ミネラルには非常に多くの種類があり、その効果や働きも多様です。
それらすべてを通常の献立から摂取することは難しいため、補助食品などを有効に活用し、健康的な食生活を構築しましょう。
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