私たちの生活に、水が必要不可欠であることは言うまでもありません。
飲料としての水、料理に使う水、食器を洗う水、洗濯物をするときもお風呂に入るときも、生活のあらゆる場面で水を使いますよね。
そんな水がなくなったら…?と想像したことはありますか?
簡単に水が手に入り、簡単に使える日本において、水がなくなることなど想像したことがある人は、とてつもなく少ないと思います。
しかし、水にも限りがあるのをご存知ですか?生活を支えるものだからこそ、知っておくべき現状があります。
今回は世界や日本が置かれている、水の状況についてご紹介します。
世界の水事情
水の惑星とも呼ばれる私たちの星、地球。地球上に存在する水は、13億立方キロメートルを超えます。イメージしづらいかと思いますが、地球の約3分の2は、水でできていると言われています。
これだけあるのなら、永遠に水に困ることはない。そう思いませんか?実はこの水は、ほとんどが海水であり、塩分を含みます。淡水は全体のたった2.5%しかありません。しかも、そのなかには北極や南極の氷河や雪、永久凍土まで含まれており、実際に私たちが使用できる淡水は、なんと全体の0.01%しかないのです。
そう聞くと、13億立方キロメートルもあるから!なんて言ってられないですよね。
現在世界の人口は約78億人、そのなかで水不足の地域に住む人は、約36億人と言われています。中でも深刻な水不足の状況にあるのは約10億人。アフリカや、中東を含むアジアの国々が中心です。
このままいくと2050年には人口が100億人を超えるとも言われており、水の需要が高まればさらに水不足は深刻化する恐れがあります。
現時点でも半分近くの人が、水不足の地域に暮らしていることになりますが、この数値が半分を超えるのも遠い将来の話ではありません。
これはあくまで統計をもとに出された予想であり、必ずそうなるとは限りません。しかし、これほどまでに切迫した状況にあると知っている日本人は、極めて少ないと言えます。
今は世界で石油不足が謳われていますが、近いうちに国ごとに水をめぐった”水紛争”が起きることも考えられるのです。
日本の水事情
では、我が国日本ではどうでしょうか。
日本は周りが海に囲まれ、自然豊かな国です。降水量も年間で約1700mmと、世界平均の約2倍の雨が降っています。
一見水に困ることがなさそうな日本ですが、実は年間降水量は、徐々に減少傾向にあるのです。
近年日本では、”ゲリラ豪雨”と呼ばれる、いわゆる局地的大雨や集中豪雨が、特に夏場に多発しています。
ゲリラ豪雨の原因は、世界的な気温の上昇傾向、つまり地球温暖化が関係しています。
雨は、海水や空気中に含まれる水分などが蒸気となって空へのぼり、冷たい空気に冷やされることにより降ります。気温が上がるとその分蒸発する水分も多くなり、雨量が増すため、温暖化が進むと大雨が発生しやすくなるのです。
ゲリラ豪雨が起きているのだから、水不足は関係ない、と思いますよね。実は、それが落とし穴です。
水の供給において大切なのは、雨が降る場所です。雨は、川の上流に降ることによってダムに貯められたり、山の土が雨水を吸い取って地下水として蓄えられたりします。
そしてそれらの水が、浄水場を通って浄化され、水道水となります。
ゲリラ豪雨は、人口が集中している都市部で起こることが多く、ダムもなければ雨水を吸水できる土壌も少ないため、水を蓄える効果はあまりありません。
ですから、ゲリラ豪雨が増えて、全体の降水量は減っているのであれば、結果として”水不足”の状況に近づいているのです。
私たちの国日本は、一見恵まれた環境のように思えますが、実は水も海外からの輸入にも頼っています。日本でも親しまれているエビアンやボルビック、クリスタルガイザーなどのミネラルウォーターは、海外からの輸入品です。
生活に必要な水を供給するのに精一杯な日本は、ミネラルウォーターの供給が需要に追いついていないのです。
しかし、世界がさらに水不足に陥れば、輸入先も水不足になることが予想されます。まさに、地球全体が水不足の危機状態にあるのです。
地球の水不足は”自分事”
水不足は他人事ではなく、身近に迫っている危機だということを感じていただけましたでしょうか。
便利な暮らしをしていると、まさか水不足になるなんて、想像し難いですよね。
でもその便利な水だからこそ、もしもなくなってしまったときの代償は計り知れません。
世界中の人々が、いかにこの状況を理解するか。日本人をはじめ、水不足の状況でない人たちがどれだけ水を大切に使うかで、今後の地球は変わります。
限りある資源を大切にする、という考えは、限りなくありそうに思われがちな水にも言えることなのです。
水の出しっ放しをやめる、あなたのその小さな積み重ねが、地球の未来を救うかもしれません。
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